脳ドック
脳ドックとは
脳ドックは、我が国独自に発展・普及してきた脳の検診です。MRI検査(磁気共鳴画像)による画像診断を中心に検査を行い、脳に関連する疾患の診断や疾患リスクの早期発見などを目的とします。脳ドックでは、脳血管障害(無症候性脳梗塞、未破裂脳動脈瘤など)、脳腫瘍、認知症などが診断されることや、脳血管障害や認知症のリスクのある所見が見つかることがあります。これらの異常を早期に発見し、必要に応じた対応をとることで、脳疾患の発症や進行などを予防できる可能性があります。
脳ドックでわかること
脳ドックで検査の中心となるMRIでは、脳の断層画像で脳そのものの状態を観察するとともにMR血管撮影(MRA)と呼ばれる撮影法で脳および頚の血管も撮影することができます。MRAでは造影剤などの薬剤を使用することなく血管を描出できます。
MRIでは、無症候性脳梗塞と呼ばれる症状のない小梗塞、加齢や脳虚血に関連した大脳白質病変、小さな脳出血(微小出血)などを見つけることができます。これらの病変は脳卒中の危険因子と考えられています。
MRAでは脳や頚の血管に狭窄(細くなっている)や閉塞(詰まっている)、脳動脈瘤(血管のコブ、破裂するとクモ膜下出血になる)の有無などを調べることができます。
□ こんな方にお勧めします
- 脳ドックは基本的には中・高齢者の受診が望ましいとされています。
- 血縁のあるご家族に脳卒中や認知症の方がおいでになる方
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)、肥満気味、喫煙される方
- 頭痛、物忘れなどが気になる方
当院の脳ドックの特徴
- 1.5テスラMRI装置を用いて、日本脳ドック学会の「脳ドックのガイドライン」に準拠した撮像を行います(詳細は「脳ドックのコース」の項参照)。
- 受診者の脳MRI画像を、健常者の脳のデータベースを用いて統計学的に画像解析し、早期アルツハイマー型認知症などの診断を支援するブイエスラドというソフトウェアを使用して、脳萎縮の程度を評価するコースも用意しています。
- 画像は脳神経系の画像診断に精通した放射線診断専門医が読影します。
検査結果
- 検査結果は後日文書にて郵送いたします(検査後2週間程度)
- 疑わしい所見があり精密検査が必要な場合は、結果のお知らせと一緒に精密検査のご案内をお送りします。
- 当院で精密検査を行い、必要に応じて、 経過観察したり、適切な医療機関にご紹介したりいたします。この場合は、精密検査も含め保険診療で可能です。
- 他の医療機関で精密検査や治療などをご希望の場合は、MRI画像を含め全ての検査結果をご提供することができます。お気軽にご連絡下さい。
MRI検査の注意点
- MRI検査ができない例
- 心臓ペースメーカー
- 人工内耳
- 脳深部刺激装置
- 可動式義眼
- 眼球内金属異物
- 検査が出来ない可能性がある例
- 磁性体の脳動脈瘤クリップ
- 人工心臓弁
- 大動脈ステント
- 閉所恐怖症
- その他の体内金属
※ 妊娠中の方には、検診としてのMRI検査はお勧めいたしません。
脳ドックのコース
2023年6月1日から下記に改定いたしました
※ 脳ドックの検査には、保険は適用されません。
- 【 全コースともに完全予約制 】
- 祝祭日を除く月〜土曜日(水・土は午前中のみ)に随時行っています。
お電話にて、ご都合に合わせてご予約下さい。
各コースの概要
- 画像コース
- 基本的には頭部MR断層撮影(MRI)と脳MR血管撮影(MRA)による画像検査のみです。MRIでは、日本脳ドック学会のガイドラインで推奨される4種類の横断像(T1強調像、T2強調像、FLAIR、T2*強調像)を撮影します。
- オプションで頚部MRAを追加できます。
- 血圧・脈拍の測定と問診票の記入のみで、医師の問診・診察はありません(問診票上、MR検査の安全性に関して問題がありそうな場合には医師が問診することがあります)。
- 簡易コース
- 問診票の内容をもとに医師の簡単な診察があります。
- 血圧・脈拍に加え、身長、体重、BMI、腹囲を測定します。
- 頭部MR断層撮影では、上記の4種類の画像に加え、早期脳梗塞などの検出に優れる拡散強調像も撮影します。また、T1強調像は、薄い断面の3次元撮影で行い、横断像以外の断面も作成し、より詳細な診断を行います。
- オプションで頚部MR血管撮影を追加できます。
- 標準コース
- 簡易コースに加えて、血液・尿検査、心電図を施行します。
- 血液・尿検査では、脳血管障害などの危険因子となる脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、腎機能障害などの有無を検索します。
- 心電図では不整脈や虚血性変化などを調べます。
- プレミアムコース
- 標準コースに加えて、認知機能検査、ブイエスラドによる解析を行います。
- 認知機能検査では、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)を組み合わせた検査を行います。
- ブイエスラドによる解析とは、脳MR画像を健常人の脳画像データベースと統計学的に比較し、脳萎縮の部位や程度を解析することで、アルツハイマー型認知症などのMR画像による診断を支援するソフトウェアです。
脳ドック各コースの検査の流れ
ご予約・お問い合せ
- 【 全コースともに完全予約制です 】
- 祝祭日を除く月〜土曜日(水・土は午前中のみ)に随時行っています。
お電話(022-375-1231)にて、ご都合に合わせてご予約下さい。
検査内容などについてのご質問などもお気軽に 【 こちら 】 までお問い合わせくださいませ。