治療の流れについて
治療の流れについて
放射線治療の副作用
放射線治療は、細胞にダメージを与えるため、その影響が副作用として現れることがあります。その副作用は個人差がかなりあり、皆様に必ず出現するというものでもありません。また、出現しても耐えられないひどさということはほとんどありません。適切な対処により症状は軽減することが多くなっています。
放射線治療による副作用には放射線治療期間中および、照射終了1か月程度までの間に出現する急性期有害事象と、照射終了約3か月以降に出現する晩期有害事象があります。急性期有害事象は出現しても、照射終了とともに治まっていきます。定位放射線治療では、正常組織に照射される放射線は通常照射に比べると低線量になっていますので、急性期有害事象は少なくなっています。晩期有害事象は数年が経過してから出現することもあります。晩期有害事象は一度出現すると、簡単に治癒するわけではありませんが、早期に発見、治療することで、軽快していくこともよくあります。以前に放射線治療を受けていて、同部位に再照射した場合には、複雑な有害事象になる可能性もあります。
急性期有害事象
- 放射線宿酔(船酔い、車酔い様症状)
- 照射部位の皮膚炎(発赤、びらん、水庖等)
- 照射部位の粘膜炎およびそれに伴う症状(のどの痛み、食道炎、下痢等)
- 照射部位の急性炎症、浮腫(むくみ)
- 照射部位の脱毛(照射部位以外の脱毛は通常ありません)
- 白血球減少(化学療法ほどの低下はありません)
など
晩期有害事象
- 皮膚、組織の硬結(線維化)
- 粘膜等、組織の慢性の炎症(難治性膀胱炎、放射線肺炎など)
- 組織の繰り返す慢性炎症から潰瘍化(直腸潰瘍など)
- 組織の壊死(脳壊死など)
- 腺組織の障害(唾液分泌低下)
- 白内障
- 神経障害(麻痺など)
- 血管障害(浮腫、出血)
- 2次発癌
など
副作用早期発見のためにも、照射後の定期検診をお勧めしています。